この目の前を忘れてはいけない
そうそう。第五福竜丸展示館をみることができて、すごいよかってん。
のりちゃんに、戦争の当時の話をきいて、のりちゃんはあっけらかんと、爆破された家で、かくれんぼしたり、ものを拾ってきたりしてそれなりに楽しかったと笑って話をしてくれた後、いつも涙を流して、戦争なんてするもんじゃない、と息を荒くしてた。その詳しい風景を私が知っているわけじゃないけど、私はそののりちゃんの姿、その言葉を信じようと思っている。
で、第五福竜丸展示館は、わたしのおばあちゃんが、そこにいるわけでもない。でも、まるで、後世に残すように、今、流れている風を好かしながらも、こうして人によって管理されていること、そして発信していることが、たまたま口コミでやってきた私にひどく心に打たれたことと、のりちゃんのソレはとても近しい経験だと思った。
過去にあったできごととしてモニュメント化されるわけでもなく、メモリアルになるわけでもない、今の世代に確実に伝えている。それらを見て、私はいまの世の中の現状に、矛盾を感じてはたまた腹が立っているんだけど、この感情は、一時的に処理できるものでもなく、なにかですぐに解消するわけではない。私は、この矛盾したサイクル、このどうしようもない世の中で生きているのはたしかで、そんな中で、生き延びなければいけない。そして、のりちゃんが、私に話したように、着実にこのおかしな目の前を伝えていくことも、ひとつの活動だと思っています。だから、この目の前をしっかり見ようと思います。
2011年09月05日 BLOG