蛇谷 りえ / JATANI RIE

だいたい

それじゃあ、また。と言う瞬間は、今の仕事ではたくさんあって、見送るのが仕事だけど。たみで見送るのと、そうじゃないときに見送るのは全然気持ちが違っていて、あんまり好きじゃなくて、居心地がよくない。実は苦手かもしれないけど、がまんして手をふる。がまんができるようになったのはいいけれど、どんな顔して手を振ってるのか、想像つかない。あと、全然会ってなくて久しぶりに再会したときに、顔がへんな感じになったのもおもしろかった。たぶん緊張したんだと思う。なんで緊張したのか、ってのも変な感じ。ひとつずつ、自分がどれも違って、そういう些細な変な感じに意識する。あ、あと、自分の宝物ってのが部屋のどこかにあって、普段はぜんぜん気がつかなかったけれど、どうやら他人に見せたら、姿をあらわすものらしい。その宝物はへんてこで他人からしたらゴミみたいなものだけど、私にとってはなんだかわからないけど、大事なものらしく。そのわからなさがおもしろかったし、それを愛でてもらえたのはうれしかった。愛でてもらえるとうれしいんだなーって気持ちも初めてだった。なんか全部新鮮だわ。いちいち言葉にすると気持ちが丸見えになってしまうから、3分の1は妄想と3分の1は人から聞いた話、最後の分は本当の話、にしておいてください。

2015年08月31日 BLOG