蛇谷 りえ / JATANI RIE

大阪

大阪に住んでたとき、友達の家で朝方まで過ごして、自転車で家に帰ることが何度かあった。朝5時ぐらいの大阪はゴミ収集車以外、まだだれも歩いていなくて、朝日が黄色く差し込んで、橋から眺めると綺麗だった。車もほとんど通ってないので、自転車で信号なんかも無視して、スマホからドビュッシーを爆音にして流して、ざっくりとした方角だけを頼りに、通ったことない道を走るのが好きだった。谷町筋、四つ橋筋を逆行して、車を追いかけたり、突っ切ったり。知らない道をとおると、川があって、向こう側に渡る橋を探すと、自転車だと、遠回りだったり、車道だったりで、ヒヤヒヤしながらのぼった。風がふいてて、大阪の半分ぐらいが一望できた。

大阪に住んでる、散歩がすきな友達の話をきいてると、どんどん大阪が開発されていくことがよくわかる。毎年大阪にかえって、たこ焼きとかお好み焼きとかうどんは食べてるけど、近所の銭湯がなくなって、駐車場になってた。昔にやたらと埋め立てた場所は万博会場になるらしい。変わらないものばかり楽しんでたけど、刻一刻と町が変わっていくと思うと町の風景が尊く思えた。鳥取から大阪にかえるルートをやっと覚えたけど、目印にしてたあの看板も、マンションも、あのなんとも言えない幅の道路も、変わっていくのかな。小さいときに住んでた道路も、商店街も、なくなっていくのかな。

2020年12月03日 BLOG

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