蛇谷 りえ / JATANI RIE

残る

目の前をいろんなものが流れていくのを見るのが好きだった。でもそれじゃあ、自分になにも残ってないことがわかって、手づかみで気になったものを触ったり、声をかけたりした。そしたら、コロコロと向きを変えて転がっていって。それが自分に向かってきたり、どこか遠くに転がっていったり、予想していたことと違う展開に感動した。何かが終わったり、始まったり、失ったり、見つけたりいろいろあって、たくさん傷ついたり、喜んだりした中で、あり続けることをこだわってた。できないことを力不足だと頭がこだわっていたけど、どうやらそういうことじゃないらしいことが身体で最近わかった。

来月、家のとなりの材木工場が解体されることになって、庭にあるみかんと椿の植木も切るらしく。捨てる前に、みかんと椿の草木をいただくことにした。たくさん取れるから、たくさんの生地を染めよう。なくなることはさみしいけれど、これでいい。考えなしに、傷がいっぱい残ってるのもいい。傷つくと痛いし辛いけど、その分誰かとつながれる。どん底のときに、いっぱい希望が見えてくる。こわがらずにいこう。

2019年04月23日 BLOG

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