蛇谷 りえ / JATANI RIE

Susan Cianciolo

お盆が明けようとした頃、怒濤の2週間だったのが原因だったのか。気分転換に温泉にいって、珍しく予約しなくても入れるマッサージ屋で30分だけマッサージを受けて、気分が少しすっきりした後、胃がしくしく痛くなって、その痛みは下腹部の右(というか、へそまわり)に激しく痛みが続いた。痛みにはめっぽう弱いので、わかりやすく弱っていき、緊急病院に連れていってもらうと、盲腸だということが発覚。初めての入院生活が始まった。幸い、手術はせずに点滴で痛みをおさめるという手法だったので、ひたすら点滴を受け続けることになったので、映画やら読めてない本やマンガをごっそり持ってきてもらう。入院したことも、いろいろあっておもしろかったけど、一番おもしろかったのは、「ファッションの拡張」という本である。

何がおもしろいかっていうと、まだ読み終えてないのでこれはレビューではないのだけれど。いろんなデザイナーの対談が続く中、Susan Cianciolo(スーザン チャンチオロ)というデザイナーが登場した。「知ってる。」程度であまりよく知らなかったんだけど、その知ってる時期っていうのが、私が専門学生時代のもんもんとしてた時期に、授業で好きなもの、きらいなものを見つける課題があって、その作業をしてたときに、ふと、なんか好きっていうことで刻まれた名前だった。デザイナー服部一成がADをしてた雑誌「HERE AND THERE」をチェックしてたときで、そこに掲載されていた作品展示写真と、名前が彼女だった。作家の名前なんてほとんど覚えない性格なのに、今でも覚えてる独特な名前。ネットで調べても、たまに日本で活動してるらしいことはわかってたけど。ある時期からぱたりとその名前は見なくなっていた。その名前が、病院のベッドの上でもう一度出会えたわけだから、読むスピードはあがっていき、あのとき「なんか好き」って思っていた理由が、今、10年ぶりに言葉になってひしひしとわかる。Susan Ciancioloのことが知れて、というか、あのときの私ともう一回再会できて、あのときの私に呼びかけようとしてる私がいて、それがすごく嬉しくなった。そして彼女は、ランコレクションというシリーズの怒濤の制作をしたあと、こどもを産んで、こどもといっしょに日本で制作をしたりしていたらしい。そのときの彼女の様子も書かれている。私はおそらく、その怒濤の時期に目撃していて、その続きを今こうして知れてること、そしてそれが本によって私と出会ったことに感動した。読み終わるのが寂しくなったところで、途中で中断して、退院後も読む事にしている。もっと知りたい、Susan Cianciolo!

2014年08月22日 BLOG