蛇谷 りえ / JATANI RIE

人の集まり

人間一人が2人になると勇気づく瞬間があって、強くなったり、甘えたりする。一人だったあの子が、2人になったら丸くなったり、その分大きくなったり、その分変わってしまったりするのは、よく見る景色。2人ってだけで、一気に周囲から親近感を持たれるあの感じ。なんなんだろう。鳥取でも、それは一緒で、一人だったらたぶんここまで出来てない。お互いに。2人ってだけで勇気が出たり、自信が持てたり、力が湧いてくるのも凄い。そんな2人っていう集まりも大した大きさではないのに、なんでもできちゃう気がする。

2つってのは、ヒトが集まる数でもあるし、特別な2つでもあったりする。でもこれが例えば3つになったら、5つになったら、10つになったら、30つになったら、どんな集まりが考えられるだろう。一つと数えるのは、例えば、いっしょに過ごす犬も、参加できると思うし、ちびっこだって、植物だって、おばあちゃんだって、障害のあるヒトだって、そうやって呼ばれるヒトたちも、集まりに参加できると、もっともっと力は大きくなる。少なくとも、力だけでなく、自分たちの生活くらいはそこで支え合っていける気がする。これから作っていく器は、いわゆる立派な専門家だけでなくて、ちいさな個人の集まりから、大きいイメージをつくることができたらいいなと妄想する。そうやって集まる真ん中は、これから2人で、鳥取で作っていけたらいいなあ。と。

一人の力では止めることができなくなってしまった大音量の大きな塊のそばで、その気配や音を感じながらも、ちいさな人間たちは、人間たちなりに応援し合える集まれる場所があったらいいなと思う。それは家族でもなくて、恋人でもない、一人の時間や世界でちゃんと過ごしながらも、例え大きな塊が押し寄せてきても、肩身よせて知恵や力を合わせることができる場所になればいいな。

それは、突然に生まれるんじゃないねんきっと。日々、一人一人が意識して生きている中で、自ずとつながったり、出会ったりして、また日々の暮らしに戻るんやけど、でもそのときはきっと、すこし気持ちが分厚くなってるんやと思う。

 

2012年01月25日 BLOG