蛇谷 りえ / JATANI RIE

ふーっ

一日があっというまに終わる。たみの大掃除をしていて、軽トラックで一日に何回も往復する。たみに残ってるよけいなものをたくさん捨てたんだけど、リサイクルセンターでガガガーっとマニュアルを操作するのは相変わらず好きだ。運転が若干あらっぽくなって、アドレナリンが出る。夕方の閉館まで一気に荷物をつめるけど、なかなか終わらないし、テンションがあがりっぱなしなので、深呼吸するために、シャワーを浴びた後、発泡酒を片手に明日のカレーの仕込みをする。なんとなく、インドカレーに挑戦したくなったので、みやけんのスパイスを借りて、なんとなくレシピを頭にいれて作る。時間を惜しまず料理に集中するのはひさしぶりで、頭の中で音楽が流れてるような気がする。もくもくとただ、鶏肉のことやたまねぎのことを考えたり、にんじんのことを思ったりしながら、適当さをつくっていく。料理は絵みたいだと、いろんな人の料理をみていて思って、わたしの場合、ひとつひとつの素材のことに思いを馳せながらつくるのがどうも癖らしい。今、鶏肉はヨーグルトに浸っているから、その間にたまねぎを切る。みじんぎりはめんどうだから、薄切り。ニンニクとしょうがは、今回は同じ量にして様子をみよう。セロリのはいったトマトソースを昔教えてもらって、セロリ嫌いのわたしもおいしく食べれたし、おいしそうだし、安かったのでみじんぎりに。タマネギよりはセロリは少なめにして、雰囲気だけでとどめておこう。鶏肉の皮があまったから、カリカリにオリーブオイルでニンニクと一緒にいためて、ビールのつまみにしながらつくる。たまねぎをいためながら、ピクルスの準備に入る。最近はにんじんがおいしいので、にんじんと大根のピクルス。あんまりすっぱいのは苦手だから、はちみついれる。沸騰するとよくないらしいので気をつけつつ、たまねぎに思いをはせつつ、キツネ色になるまで炒める。次はセロリをいれる。セロリは黄緑色をした水が出て気持ちがわるいが、思ってたより気配がなくなっていい感じ。トマトは高いから、トマトジュースをいれる。高いから水をいれて薄める。ヨーグルトに浸していた鶏肉をいれる。ぐちゃぐちゃまぜる。におい系のスパイスをいれてぐるぐるいためる。辛い系のスパイスをいれてぐるぐるまぜる。チリをいれすぎたので、みやけんのココナッツミルクを拝借。はちみつもいれてみる。こってりしてるカレーよりも、ごりごりのスパイスの味よりも、すっきり辛いのが好きだが、奇跡的に近づいた。明日はどんな味になってるかな。

絵の具もやけど、いろんな味をまぜると、どんどん複雑になるけど、シンプルで大胆なアクセントとか、スカッとした透明感とか、できるだけそのものの色みのままで構成するのは昔から好きやなと絵の具のにおいや、ねっとりした質感をおもいだす。

2014年04月15日 BLOG