蛇谷 りえ / JATANI RIE

大阪

ひさしぶりの大阪で、高校の同級生と再会して、一人でぶらぶらあるいた。大阪は歩いてるといろんな記憶がでてきて、なんとも心がざわざわしてしまう。ミナミを歩くと、人の匂いが湿気と混ざってむわっとする感じがなんだか落ち着く。ビルから吹いてくるへんな風が肌を触る。荷物は少ない方が歩きやすい。自転車で通るのが気持ちいい御堂筋。べつに誰かに会いたいわけじゃないけど、一人もつまんないなーってときに連絡してた仲間は東京にいて。あー、ずいぶん変わっちゃったなー。大きい音で流れてくる新しい音楽。顔より大きいような眼鏡をかけた女の子たち。座り込むおっちゃん。空を飛ぶ鳥はみつからない、ただ車の音と、流暢な英語みたいな大阪弁が聞こえてくる。この町には公園がないから、ただただ歩くしかない。立ち止まれない。歩くか、目的地について何か買うか、何か食べるかしかできない。もっとそれ以外のことが、この町で自由にできたらいいのに。

2014年06月09日 BLOG