蛇谷 りえ / JATANI RIE

味わう

人に話をする機会が続いて、これまでのことだけでなく、いまのことやいま考えてることなどを話す。いま考えていることは、なかなかすぐに言葉にできなくて、慌てず言葉がおりてくるのを待ってみたりする。大勢の人に話をするのは、体がやってきたことを整理ができるのと、感想をきくのも楽しみで、みんないろんな受け取り方をしてて、わたしのことを再確認したり、自分も気づいてなかったことが見えたりしてよい。荷物を整理していたら、21歳のときの誕生日に過ごした写真と、当時の友人からの手紙を見つけた。当時のわたしと今のわたしはたいして変わらないことを時間を超えて教わる。記録はやっぱりいいもんだな。このようなやり方で、いろんな人やものごとに出会って、経験して、なんとか生きてる。もちろん、できなかったことも、傷ついたことも、たくさんあるけど、それぐらい遠くまでこれたってことなんだろう。

頭では、仕事みたいに白黒はっきりさせて、ゴミ箱にぽいぽいしたくなるけど、わたしの身体は割と時間かかるらしいから、友人に助けてもらいながら、身体の時間に付き合うようにする。味わう。まだドキドキするとか、怪我したとこ痛むな。とか。微細なうだうだに付き合えるようになった。元気じゃなくなったら、元気になる方法をあみだしたり。ジャタニリエという身体の操縦を訓練する。ニュースやsnsをみてると、周りはなんでも言いたいこというものだし、いちいち正すのもきりないなと改めてわかるから、大なり小なり、周りの言われることを気にして動くのはやめよう。というか、できない。そんなやり方で生きてきてない。わたしの時間と周りの時間のとんでもなく違うから、わたしのやったことに対して周りのいろいろはちゃんと聞ける耳を持つし、わたしも他者の身体の時間は尊重できるように心しよう。

次の住む小屋の片付けをするために、友人を招いてご飯を食べる。電気と水道をとおして、トイレと冷蔵庫を掃除する。小屋の外にテーブルと椅子を並べて、持ち寄ったごはんで食事をする。雨が降っても、これぐらいなら大丈夫と言い合える友達。方々に、池を眺めたり、焚き火を囲んだり、野菜や魚を調理したり、ここで作るものは全部美味しい。言いたいことが言い合えて、私の家なのか、外なのか、みんなドロドロで同じ。抱えているものはみんなあるけど、ドロドロは同じで、この時間を楽しもうと各々過ごしてた。もっとわたしがウットリできる素敵な空間にしよう。こういう時間によってわたしの身体の充電はアップする。

2019年07月24日 BLOG