蛇谷 りえ / JATANI RIE

パズル

小学校のとき、よく覚えてないけど、おばあちゃん家にいって、大きなパズルを一人でやった。一人になりたかったのか、一人で大きなパズルがしたかったのか、たしかそんな気分だったと思う。1000ピースだったか、不思議の国のアリスの大きなパズルを買ってもらって、1週間ぐらい部屋に籠る。もしかしたら時間はもっと短かったかもしれないけど、それぐらい感覚的には長かった。1000ピースも、眺めてみるとそんな大した大きさではないけど、当時の自分よりも大きいように見えた。

朝起きて、パズルやって、昼ごはんの頃、おばあちゃんが、「りえ様、お昼はどうなさいますか?」と中居さんみたいな声を出して、ご飯を食べて、パズルに向かう。窓の景色が暗くなるまでパズルをやって、夕飯を食べて、おばあちゃんのベッドに座ってテレビをみた。寝る前に、パズルをみて、ちょっとずつできていくのが嬉しかった。

いま、168ピースのパッチワークをしていて、その感覚を思い出してる。部屋が小さいので、広げられないので、小さい正方形をたくさんつくって、机の上で、一つずつ、草木染めをした淡い黄色、ピンクのグラデーションを組み合わせて、手縫いする。ミシンの音がしないので、ラジオを流すけど、気付いたら終わってて静かになって、背中で犬の寝言が聞こえる。パッチワークは、まだ半分ぐらい。

2021年02月08日 BLOG