蛇谷 りえ / JATANI RIE

見るってことを

カフェで店員をやってるとき、珈琲つくったり調理するのに緊張しつつも、家具があって、テーブルがあって、心地よい音楽があって、きれいな光が入ってて、店員のふりしてる。それだけで、その場が成立してる感じがおもしろい。気分はすでに店員ではなくて、わたしになってる。カメラを設置したみたいに、店員のふりして、じっとみてる。勉強してる人、おともだちと楽しげに話してるグループ、それぞれ読書をする夫婦、ぼんやりしてる人。見るって、飽きないなあ。/留まっていていいんなら、ただただ私はなにもせずにものごとを見ていたい。/目の前にやることもたくさんの興味もあって、やりながら考えながら仕事をしているけれど、やってるだけじゃ気になるものが増える一方で、自分の中で深める作業がなかなかできなくてやだなーと最近おもってる。/まだ探してるものが実はあって、あるってことを自覚しているにもかかわらず、まだ言葉にできなくて、だんまりしてたら、たまにふと思い出す匂いみたいなのがある。タイミングを逃すとスルっとそれは消えてしまって、あーあ。となって、またゼロから探すことになる。私の探し物を探すのは、本当に私は苦手だと思う。/なんでこんな人間になったのか、なんて考えてもどうしようもないから、そのままいくしかない。/社会なんてものがなかったら、わたしはカメラさんっていうキャラクターになって、ずっとビデオを回して過ごすよ。/ビデオが重要なのよ。/生きるってのは起きて、お腹が減ったらご飯を食べて、寝て。でいいのに。/過剰な付加価値つけるんじゃねえ。(怒)/

2013年03月03日 BLOG