台湾
台湾人が鳥取にきている。日本人の次に多いぐらい台湾人。台湾って、国が違うし、なんか日本と離れているし、別の文化でしょ?と思っていたけど、なんだか親しげに観光している。気になったので台湾に行ってみた。そしたら7割ぐらいは日本だった。日本の企業がたくさん進出していた。日本のサラリーマンみたいな人はいないし、ギャルはいないけど、ある一種の日本があった。地図をみると沖縄のすぐ横にあって、とても近い島国。本州と沖縄の文化も違うけど、台湾もぜんぜん違うはずなのに、日本の風に吹かれながら、のこりの3割を探し歩いた。たくさんの前情報は持たずに、好きな感覚だけ広げて、あっちこっちツッコんだりして、同じ街の違う道、違う時間を歩きまわった。英語がお互いできないので、指差ししながら、地元のレストランでご飯を食べる。ご飯の物価が安い、服や物とかは、made in シンガポールとか日本だったりで、頭でどう計算しても明らかに高い。それに比べて食べ物はめっちゃ安いのはなんでだろう。
鳥取でであった、台湾のデザイナーに会っていろいろアテンドしてもらう。彼女にも7割の話をすると、「ヤバイヨネ。」と言い。「日本人、ごめんね。」と謝ると「台湾人も悪いからお互い様。」とやさしい彼女はそう言って、台湾にしかない店やものを紹介してくれた。3割の風景を歩きまわっていたけれど、店やものに触れると、そこに住む人たちの思いとか営みがカタチになっていて、重みが増す。やっぱり何かカタチになるものはいいもんだと、たくさんお土産に買ってかえった。短い間にたくさんお世話になって日本に帰った。日本に帰ってきたら、9割ぐらい日本じゃないように見えた。目に見えるものは、おおよそ日本じゃない風景。彼女が今度日本に来たときに、わたしはお礼にどれだけのものを紹介できるかな。少し不安になった。わたしもここで、日本にしかない店やもの、目に見えないものを見つけ出したいし、それを伝えるにはちょうど良い仕事をしているので、少しずつやっていこうとおもう。
でも手仕事の事例をあげても、材料はもうすでに日本にはなくて海外だったり、作ってる人も日本人じゃなかったり、なんなら、鳥取出身でもなかったり、「純血」なものなんて、もうほとんどなくて高級になる。あたりまえのものが高級になる時代がくるなんて、当時のデザイナーや職人たちはどれだけ想像してただろう。少し前の人が気づいていたら、3割ぐらい食い止められたかもしれないのにね。済んだことは仕方がないとして、「純血」にこだわるのも、偏りすぎるし、そんな価値観をわたしには持ちあわせていない。だから、わたしの身の丈で、まずは探そう。
2016年03月17日 BLOG