蛇谷 りえ / JATANI RIE

怒りんぼうのオニゴロウ

オニゴロウはすぐ怒る。でも、自分より年下の人や年上の人とか年とかは関係なく怒らないし、力がない人にはやさしく振舞う。でも、力づくで無理やり動かそうとするモノには、敏感に反応する。それはケンリョクというものだったり、ボウリョクというものだったり、アツリョクというものだったり。そういうものに抵抗するために、オニゴロウは力をつけてきた。オニゴロウは、完璧にやり遂げたいところがあって、小さなことに気をとられやすい。だから、毎日、小さなことをコツコツと片付けや掃除をしたりするんだけど、そうしてると1日が終わる。きれいになると気持ちがよいので、こういう作業が好きなんだと思っていた。でも、オニゴロウは毎日片付けや掃除をするのが大好きではなくて、ほんとうはお腹の底から声を出して大笑いしたり、身体全部で感じて表現したり、だれかとおしゃべりをしたり、そういうことも大好きだということに気がついた。だけど、自分の好きなことを後回しにして、小さな気になることをコツコツ済ませていたら、ちょっとずつストレスがたまっていく。それで、「ナントカリョク」が目の前にくると、また怒る。怒ると、気持ちが爆発して、きれいにしたものがいろいろ散らかる。また片付けをする。ストレスがたまる。怒る。片付けをする。そんなことばかりしていた。あるとき、面倒くさいことはしなくていいんだよ。と、教えてくれた人がいた。意外としなくても、大丈夫だったりするから。5のうち、3つできていたら、それでいい。って、自分で決めてごらんなさい。そして、自分に余裕を持たせてごらん。と。オニゴロウは、どんなことがあっても、自分のやりたいことから優先することにした。もちろん、やらないといけないことはやるけれど。そして、怒ると片付けが大変だから、怒る瞬間に深呼吸したり、怒る瞬間に違う感情を選んだり、怒る原因になりやすいものから距離をとりながら、暮らすことにした。(続く)

2016年05月26日 BLOG