梅雨

梅雨入りした。わかりやすくその日から大粒の雨が降ってる。昔から雨の音は耳にさわる。傘や屋根に雨音が響いて周りの音が聞こえなくなって雨全体に覆われてる気持ちになる。たまに恐くなるけど、いまは、雨の一部になったみたいで悪い気持ちではない。目の前の景色はこれまでとさほど変わりはしない。朝起きたときに劇的に変化したかも、って勢いよく起きてみたり、清々しく顔を洗ってみても、朝ごはんにみかんを食べても、パッとしない。パッとしない。でも、前よりは雨が多く降っていて、カエルの声が聞こえるようになって、犬の毛がやたら抜ける。みんなの服装が半袖になってる。わたしは変わらないけど、景色は変わってる。強い自分とへなちょこの自分、責任と自由、いろんな目によって、絡まってしまったわたしの言葉を少しずつ解いて、雨が止むのを待ってるよ。