蛇谷 りえ / JATANI RIE

悲しい恋の唄

いつもハイネケンを飲むおじさん。仕事が夜中で、いつも朝帰りに立ち寄って、ハイネケンを飲む。ずっと気になっていたんです、と緊張しながらドアの前に立ち尽くして、ようこそようこそと席を案内した。今日は上司と喧嘩しただの、冗談みたいな話を、ハイネケン片手にしてくれた。ハイネケンの空き瓶がある朝は、彼のことを想像した。ある日事故で亡くなった。あの声も、キラキラした目も、大きな姿ももう見ることができない。神様、いったい人はどれだけ許せばいいんですか。

2016年06月23日 BLOG