蛇谷 りえ / JATANI RIE

ふわふわした夜

夜は蒸し熱くて、朝と昼は日差しが強くてじっとしてられない。クーラーがないからだと思うけど、クーラーがあったところで体が冷えてくるのが嫌でなんだかゴソゴソ体を動かして汗かいて、ビールを飲むかスイカをかじるかしている。じっとしていられないから、本を読むことがストップしたものの、動きすぎて無駄にくたびれているので、なんにもせずにダラリと映画でも見たい。お風呂に浸かるようにはしている。私が誰にもわかりえないわたしであることは納得できたし、そのわたしが仕事で誰かと出会うことの緊張感は、前よりもうんと増した。仕事においてより私にこだわる必要はないってことがわかったから、だいぶん、楽になってきたと思う。あとは、夜風がすべりこんでくるような窓があったり、月を見上げられるような空がすぐそこにあって、ごろごろできる絨毯やソファ、たまに誰かと食べる食卓がつくれる素敵なテーブルと椅子、食器や音楽、ふかふかの優しい生地に包まれるようなベッドなど、犬と落ち着いていられる環境があればいいな。最近尋ねた床屋やパン屋の家があまりに素敵だったので、気持ちが加速した。

2016年07月06日 BLOG