蛇谷 りえ / JATANI RIE

上昇思考

なんで上に上に、よりよく。を求めてしまうのかな。身体が疲れたときに、ふと犬を見るとはっとする。そうだ。ごはんがたべれて、あたたかい場所で眠ることができたらそれでよかったのだ。でもまた暮らしをしていると、またよりよく。をがんばろうとしている自分がいる。がんばってもいいんだけど、自分が苦しんでいるときは、やすまないといけない。でも、なんでこんなにがんばるのかなー。近代化によって身体がそうなったんだよ、という人もいますが、それも一理ありそうだけど、それでも、なんか腑に落ちない。なんか、どうせごはんをたべて、あたたかい場所で眠るんだったら、楽しい方が断然いいなって思う。貪欲。その「楽しい」を意識してたら、仕事もなんでも、根詰めてしまうのかもしれない。一生懸命なのか。でも、一生懸命にしていたら、なにか評価してもらえるとも思ってない。わりと自分勝手に一生懸命。だから手をとめることもできるし、サボることも平気。むしろ、評価されてるって思うと一気に冷めちゃう。でもやっぱり、やるからには楽しい方がいいなーと思って、また始めるんだけど。だから、上に上に、というよりは、光というか、ピカピカに。キラキラに。いや、くすんだ光も、暗闇の光も好きだから、キラキラばかりもあきるけど、なんかそういう質の瞬間に立ち会えると、あー生きててよかったなって思えるから、ついがんばってしまうんだと思う。そういう経験を何度もしてきたから、やみつきになっているのかもしれないな。でも、私一人ががんばっても必ずそれに立ち会えるわけではないし、自分にはどうにもできない流れによって大波小波があることも、最近やっとわかったし、だから、その上で、生きていくんだな、って。ということは、いつかくる絶好のチャンスのために、鈍らないように素振りの練習をしたり、いざってときに、仲間を集められるような関係をつくるなどして、日々、たべたいごはんをたべたり、あたたかい場所で眠ることにしようかな。

2017年02月01日 BLOG