散歩
雪が降り続いて3日目。まる三日家にいた。スカイプなどで仕事のやりとりはするけど、犬と家にいても、犬は寝てばかりだし、わたしもパソコンに向かってばかりで、対して、なにも起こらない。寒いから、窓も閉めていると、いつのまにか暗くなっている時間になって、ただ、なんか甘いものが食べたいな、とか、さくさくしたものが、とか、辛いものが、とか、お腹にすなおに答えてみたり、お茶を飲む。珈琲豆を切らしていて、あたまのどこかに、珈琲が飲みたいとおもっているけど、いや、珈琲がなくてもいけるんじゃないかと、紅茶を飲んでみたりするが、やはりあのカフェインはだれも勝てない。あと、生クリームの欲求も、いろいろやってみたけど代替できないことがわかった。家にいるのが飽きてきた。とあたまがようやく認知して、近くにコンビニがあるらしいから、行ってみようと席を立つ。犬が、行ってみる?みたいな顔でこちらをスタンバイしているので、いっしょに連れていく。雪道がひどくて、いつも通りかかった道路からは歩けないので、住宅地を歩いていくが、車もとおってないような、道っていうか、庭なのか、気配がなさすぎて、よくわからないので、川辺を歩いてコンビニへ向かった。川辺はやっぱり昔からあるせいか、人の気配があって、歩きやすいようにもうすでに舗装されていた。知らない道を一人で歩こうとはあまり思わないけど、犬がぐんぐん歩いていくから転ばないように足を前へ前へ踏みしめていく。上をみると星がちらほら出ていて、犬に引っ張られながら、星をみる。この感じは去年もあったな。と、遠くのことを少し思い出してみる。でも、いまは足元をみると、白くて暗くてよく見えない。犬が踏みしめているので、歩けるようだ。と、おぼつかない足で歩く。みたことない家。公園がある。公園には高さが2/3になった電柱時計があって、自分で光を放っている。2/3になった藤棚や、ブランコなどがある。スケールが変わると異世界にみえる。綺麗な空間だった。地面が白いから光が吸収されて、家の光もぼやけてみえる。暗さのメリハリがない感じ。こんな絵があったらどんなんだろうか。灰色と、ブルーと、黄色と、黒と、犬が迷いなく歩いた先に、コンビニがあって、「コンビニだ」っておもわず声が出た。森を抜けた気分になった。コンビニにきたけど、別に買いたいものがあったわけじゃないので、コンビニでしか買えないものを買っておこうと、コーラとアイスとポテチ、チョコなどをいつもより奮発ぎみに買う。片手にいっぱいのビニル袋、片手に白い犬、と犬の好きな黒いくまのぬいぐるみをぶら下げて、帰るが。来た道へ戻ろうとしたのに、途中でみたことない道になって、川辺の方向へ向かう。犬は変わらず自慢げにぐんぐん歩いて、ついていくと、雪かきしてる人に、こっちは車が立ち往生して通れないからあっちにいきなさいって言われて、路地を歩く。路地っていうか、雪があって、自分の背が伸びたみたいな目線になって通りの家の中がよくみえる。そしたら、家とは反対の大きな道路に出てきて、歩道らしいところがないので、犬と人が歩いていいのかわからないゾーンをてくてく歩いた。終始、音が雪で消されていて、遠くの方で救急車とかパトカーの音が聞こえた。犬も耳を貸すけど、よくわかってなかった。家に近づいてきて、見慣れた風景になって安心した。
2017年02月13日 BLOG