2年間
突然やってきた女の子。見た目は大人なのに、心はなんにも知らない無垢で目がきれいだった。自分が一番辛い思いをしてきたのに、人の苦しみに迷わず触れ、すぐに自分のたべものを分け与えた。でも自分からは他人のたべものを欲しいと言ったことは一回もなかった。なんにも周りを疑うこともなかった女の子は病気だと言われたが、わたしは病気じゃないとおもった。病気なのは世界で。狂っているのは周りだった。こんな狂った世界で暮らしつづけるのは辛いともがき、いっしょに悩んだ。どうすれば生きていけるか。話を聞いていたはずが、あきらめようかと二人で笑ったりもした。ほかにもいろいろ、たくさんのお互いの苦しみを分け合って、おいしいものを分け合った。ある日女の子は目が覚めたかのように去っていった。これまではなんだったんだろうといって、かえっていった。双子みたいな、わたしとまったく真逆の存在だった。長い長い夢みたいな出来事で、妖精だったんだろうかと、うわの空。
2017年04月14日 BLOG