見えない岡山をみる
2017年の秋かな、岡山でやったワークショップ「見えない岡山をみる」は、二人組になって、ひとりが目隠しして傘で(杖でもなんでもいい)リードしてまちを歩くもの。一人が目隠ししてる相手に、声をかけたりかけなかったりしながら、30分間ほど散歩して、目隠しした人が気になったところで、写真をとる(正確には、もう一人がどの向きで写真をとるかきいて、撮ってあげる)。次は目隠しを交代して、同じことを繰り返す。
目隠しして歩くだけで、普段みている風景が、誰かといると違ってみえる。目を隠して、普段と違う感覚で散歩するだけで、この町のディテールが感じ取れる。だけど一番制約によって出てきたのはキーになったのは、目の見えてる案内する人がどうやって、目の見えない相手に、声かけをするか。歩くか。実は、目の見えている人の気持ち次第だった。ワークショップが終わって、公開インタビュー形式で発表した。私と三宅の質問によって、するする答えれる質問があったり、突拍子も無い質問があったりしながらも、そのとき初めて出会ったはずのペアの二人が話すことは、性別ペア関係なく、まるで長年つれそった夫婦の関係性をきいてるような、付き合い始めのカップルのような、話だった。目隠ししながら撮った写真をみて、「何をおもってこの写真をとったんだっけな」とそのときの風景を二人が補足しあって説明してくれる感じもよかった。関係としては、フィクション。だけど、思い合っている二人の気持ちがズレたり、フィットしたりする感情はノンフィクションで、映画みたいだった。それだけで十分幸せだった。
2018年06月27日 BLOG