秘密
わたしのおばあちゃんと同い年のばあちゃんが、近所に住んでて、ひさしぶりに会いにいって、用件があったけど、それとはちがう話に転がっていって、話をきいてたら、ばあちゃんの昔話になった。あんまり自分の話をすることはないばあちゃんがするする話していく。ずーっと昔の話やのに、描写が細かすぎて、つい最近の出来事みたいにわたしの頭の中に映像が浮かぶ。ずいぶんと話したあと、我にかえったかのように、こんな話するつもりなかったのにー、ごめんなさーい、ってこどもみたいに謝ってくるので、びっくりした。自分の話をすることは、こんなにもこの人にとって特別だったのか。
その日の夜、店番をしてて、3人組の男の人がくる。はじめは緊張してたけど、どんどんリラックスしていって、釣ってきた魚をわけてもらい晩酌してたら、そのうちの一人が、三人の秘密を打ち明ける。「オープンやな」って横の一人がぼそっと話すが、いやな顔はしてない。「僕は、人をみて話せる人には話すんや、こそこそ隠れて生きていたくないからな」と話す。そんな大した人間じゃありまへんで、と心の中で思いながらも、たのしそうにしてくれるので、そのままにする。
人がそれぞれ秘密にしたいことって、わたしにとっては、その人を構成する素敵な部分やのに、本人にとっては、そうではない場合が多い。自分がされたらいやなことはしたくないから、秘密にすること、されることに罪悪感をもってたけど、こういう秘密なら悪くないな。
2018年07月05日 BLOG