蛇谷 りえ / JATANI RIE

苦いものを食べると、解毒できるといいます。スーパーにいくと春の野菜は苦いものが多い。草木染めをして、身の回りのある草木の話をする。刈ったばかりの木々がいい。いつごろ刈りどきかは、庭師がくわしいから知り合いがいたら、教えてもらうか、仕事で刈った草木を分けてもらえるように心がけよう。わたしはいつも、春になる前は、体がむずむずする。体というか心が、考えが、なんだか、あ、この感じ前もあったし、これはなんかもう違和感あるんだよな。とか、脱皮のような、サイズがわかなくなってる感じがある。そういうときは、何をやっても、そこに響いて、ちょっとずつ、皮がめくれて、原因がみえてきたりする。庭師に、あーそろそろだね。って刈られることはないけど、自分の力で自然に、ちょっとずつかわっていくことがわかる。

一人一人、みんなちがう気持ちや考えがあって、小さいストーリーがある。そのストーリーに耳をかたむける傾向があった。そういうぼそぼそとした話を聞くのがわたしは好きだから、だれかもそうなんだと思ってたけど。共感されても、されなくても、共感しても、できなくても、そんな細かいことはどうあれ。自分がどうしたいか? どう関わり、どういう世界を希望するのか? そのために、なにからはじめるのか? わたしの体は自然にそれをしてきて、わたしの頭は後から追いかけてきてたけど、やっと、わたしの頭は、細かい気になってたことがぽろぽろ落ちてシンプルになって、足でまといにならなくなった。もっと体に素直になりたい。

2019年03月19日 BLOG