蛇谷 りえ / JATANI RIE

友達

失恋した。恋が終わることが悲しかった。わたしはどうやら「終わる」ことに対して異常に敏感だ。終わったり、なくなったり、消えたり。目の前にあったものがなくなることに悲しくなる習性がある。でも、終わったら終わったで開放感もあって、一人になって、やりたいことがうずうず出てくる。友人の「できたこともできなかったことも味わうしかできないよね」という言葉をもとに、これまでを味わう。身体がだるーい感じ。心がずきずきして、一人で耐えられなくなったので、友達に連絡する。あれこれ話をすると、副音声かのように分析が始まり、わたしが思ってるほどわたしは悪くはないことが分析結果でわかり、元気になって食欲がわく。大好きなエビフライをたらふく食べる。仕事場にいって、同情されて、恥ずかしかったけど、あれこれ話をしてるうちに、いくつかの言葉に反応して、心がぎゅっとなったり、肩がじわーとしたり、お腹がずきずきしたりした。今度は、女子と男子でいうことが違うので混乱した。要するに、「わたしはどう思う?」ってことか。と、一人になってわたしの身体に聞くことにした。気持ちは、毎秒煮えくり出したり、落ち着いていたり、不安定だから。身体はどう感じてきてたかをもとに考えることにした。そしたら、ある答えが出てきて、終わってよかったんだと安心できた。友達に、言葉って三つぐらいあるから、身体の言葉を優先しようと思うんだけど、身体のどこに意識してるんだろうね。と聞いたら、腸だよ。おかあさんがよく言う。と3人中2人の友達が同意してた。だから、腸に耳を傾けることにした。また別の友人が、言葉にしたとき、身体がじわーっとしたり、お腹に変化ない?その痛みに声をかけて、話をきいてあげてね。とアドバイスをもらう。そういえばここずっと、お腹が張ってた。お風呂にはいったり、湯たんぽ抱えて寝たり、カイロをはってあたためながら話かける。また別の友人から「あれ、そのパターン前回もあったんじゃない?笑。今度会ったときは、二の舞にならないように徹底分析しよう!」とメールが届く。近所のじいちゃんに「じゃたにさん、一体いままでどんな男とつきあってきたんや、しっかり見抜かないと。」と叱られる。ずっと前に書かれた手紙がいま届く。呑みの誘いや、旅行の誘いがくる。前に失恋したときになかったものが、いまはたくさんあって。わたしの世界はここにちゃんとあることがわかった。ほかにも、会いたい顔が思いついたから会いにいこう。

辛かったことをたくさん我慢させてきた身体にお礼とお詫びをするために、身体を第一に行動する。わたしの身体さん、ごめんなさい。次はあなたをちゃんと守るよ。

2019年04月09日 BLOG