蛇谷 りえ / JATANI RIE

アリス・ウォータース

「ART OF SIMPLE FOOD」を読む。料理本。洋書が日本語版になった本で図版も文字も大きい。こどももおばあちゃんも読めそうな大きな字で、料理のことが書かれている。手法ごとにレシピがあって、初めはこれからつくって、オプションだとこう。と、まるで教科書みたいな工程。料理の写真はほとんどなくて、イメージは言葉によって頭の中でつくられる。どのページもめくってもめくっても、文字しかない。道具はこういうのがいいよ。とたまに紹介があるから1ページずつちゃんと読む。今のビジュアル重視なレシピ本からはほど遠いのに、なんだかずっと読んでいたくなる。アリスの言葉が浴びるように入ってくる。

食べたことないのに作ってみたくなるのは、グリルもローストもフライもどれも手段であって、まずは美味しい食材を見つけることがたいせつ。って何度も書かれているからだと思う。実践したくなる方法は、とてもシンプルなことだ。美味しい食材が見つかったら、グリルしよう。とか、煮込んでみようとか。美味しい小麦粉が見つかったら、パスタつくってみようとか。食べることが好きじゃなくても、つくってみたいが超えてくる。まだ食べたことない食材も作り方もここにはたくさん書いてあるから、妄想がふくらむ。食材があって、どうしたら美味しくなるかと考える。何が美味しいかどうかは、二の次。まずは作ってみないとわからない。とってもシンプルな思考のレシピ本。分厚くて、1日すこしずつ読む。いい本。

2020年06月15日 BLOG