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東の海を歩いた。夕方の、やさしい光の中で。貝殻のシロ、ピンク、ベージュの粉々の破片でできた波のアウトライン。下を向いて二人で歩く。岩のトンネルには、ウニがころがっていて、トゲをもってひっくり反したら、きれいな紫が見えた。イソギンチャクも見つけたので、触ろうとしたら、毒があるから素手ではいけないよ。双子の一人がいう。もう一人は、ウニの骨?ばかり集めてきて、レースみたいな細い穴模様をじっとみる。砂浜にある深そうな穴のまわりには、砂玉がごろごろ転がって、さらに針みたいな細い何かでひっかいたような足跡が広がっている。何かの動物の家らしい。双子は顔を見合わせる。わたしたちは双子だけど、目も鼻も、髪の毛も、声も、歪。微妙に違う。貝も、わかめも、岩も、植物も、どれもきれいに整ったものがない。うまくいかなかった双子は、許された気持ちになった。全てがイビツだから。
2016年05月16日 BLOG