爆音のノイズ音、あるいは爆音のクラシック
どうやっても、人に囲まれる仕事をしてるもんだから、気がついたら人のことを心配している。「人」というか、人と人のあいだのこと。おせっかいはヒマの証拠だろう。昔、バイクに乗せてもらったときに、イヤホンでビリビリになるほどの爆音でクラシックを聞いた。猛スピードで通りすぎていく景色が、景色でなくなって、視界が音みたいにバリバリになって、自分の存在が足が宙に浮いたような、この世でないような感覚に、一人になれた気がした。でも、手はしっかりドライバーをつかんでいて、風で吹き飛ばされそうな中で手や足、目はたしかにそこにあった。爆音の振動を身体全部で浴びるような、そういう空間にいたい。パソコンに生えてるイヤホンのソレではなくて、身体全部で受け止めたい。足下が不安になるぐらいの爆音を。ノイズ音はそういうとき、優しく空間をつくるし、ピアノの一音一音はノイズそのものに聞こえたときはそりゃあもう最高で。
2015年03月18日 BLOG