のりちゃんの手
入院しているのりちゃんに会いにいった。2時間ぐらい。のりちゃん家で見たのりちゃんと、病院にいるのりちゃんは体の大きさが全然ちがって驚いた。病室は他にもたくさんあって、口があけっぱなしにしてどこかをみているおばあちゃんもいれば、大きな声で話をしてるじいちゃん、みんなでごはんを食べるおばあちゃんたちもいた。おばあちゃんたち、といっても仲良く連れ添っているわけでもなく、ただ近くにいる感じ。
部屋にはいるとのりちゃんは個室にひとり、すやすや寝ていた。病室に入る光がきれいで、口が空いてるその姿もきれいにみえた。静かにのりちゃんを眺めていたら、目があって私は「やっほ」と小さく手をあげた。のりちゃんの手をみると、さらにしわしわになってた。力はまだある。骨ばっていて、脂肪というか皮膚というか、骨のまわりについているべきものがない。そうやって変化していくものを毎日眺めるのりちゃんは、どんな気持ちなんだろうか。
のりちゃんはきっとこのまま止まらないし、戻れなくて。その流れていく中で私は私のみているものもしくは見たいものを探してるんやと思う。ざわざわしてるいっぱいの出来事の中で、しずかにそれをきちんとみていたいんやと思う。
2011年05月18日 BLOG