蛇谷 りえ / JATANI RIE » Blog Archive » まちについて

まちについて

私は、大阪生まれで大阪育ちという言葉をよくするぐらい、大阪以外の人と話をしたりすることが多いらしい。大阪以外、とか意識し出したのはきっと震災がきっかけで。生まれ育った場所を離れることをよぎなくされた人たちのことを想像してみてるんだと思う。あと仕事がら、こどもと呼ばれる人たちと出会うことが増えて、その周囲にいる人たちと話をしてて、自分のことをよく振り返る。自分がどこで生まれて、何を見てきて、どうやって育ってきたか。引っ越しもしたし、転校もしたし、いろいろあってここにいる。

大阪っていうのを、自分でなんとなく捉えることが出来たのは大阪以外の人たちと話をしたり、いろんなまちを見たり住んだりしているからで、大阪での自分なりの生活の仕方は、少しずつ広がりつつあって私は結構大阪が好きだったりする。お決まりの本屋さんとか、喫茶店とか、いつでも尋ねられる友達の家とか自転車で大きく移動しながら過ごしてる。今の自分の家は、住処みたいなちいさい部屋で、誰も入れない。自分の領域。その住処がある町にどんな人が住んでどんな店があって、ということはほんの少ししか知らなくても、ひっそり過ごしてるのがきらいじゃない。むしろそう選んでた。

最近、知人から住処の近くで飲み会があるからおいでよ。と連絡をもらって。仕事のつながりにもなるかな、と思ってお邪魔した。待ち合わせ場所は徒歩1分ほどの、ほんとに近いお店。ぎりぎりまで作業して、財布と電話だけ持って出かける。集まった人たちは、仕事のつながりといえど、みんなこの近辺で生まれ育って、子育てもして、仕事もしている人たちで、ローカルな会話あったり、仕事の話になったり、同じ町に住んでるっていうだけの集まりで、おしゃべりをして、ていねいに向き合う。年代もさまざまなで、立場もいろいろだから、あーだこーだ意見交換をしたり、込み入った話をしたりして、あっという間に時間がすぎる。何か特別なテーマとか専門が真ん中になくて、ただ同じ町に住んでるだけでお互いの存在を確認できるのが、とてもよかった。ああ、でもテーマがなかったわけじゃないか、共通点は子育てとか、まちのことだったかな。でも、それって生活とおんなじで、誰にでも関係ある話だったんだと思う。

どこにでもありそうな、ありきたりなお店なんだけど、人が揃うだけであんなにも特別になるんやなーと、たのしい飲み会を経験できた一晩でした。また飲みたい。

 

 

 

2011年05月07日 BLOG