蛇谷 りえ / JATANI RIE

ファッションおもしろい。

たみで「ふくの教室」をした。それがおもしろかった。他の教室もどれもおもしろさがあるけれど、終わっちゃった「ふくの教室」の余韻があるうちに書き留める。私にとって、私のまわりにあるものはこれがないと仕事ができないと思う必然性とか、ある時間ある場所で出会ったかわいい何かや友人からの贈り物などによって構成されていて、あんまり自分のこだわりみたいなものがないから、執着もそんなにないと思っていたけれど、ここ最近の私は犬が来てからか、ちょっと自分の周りというか、輪郭みたいなものが捉えられてきていて、そのサイズの中で味わう楽しさがちょっとわかってきた。服がその初めにあたるもので、誰かからもらったり、最低限の必要な装備しか買わないものだから、買うからには長持ちさせたいので手入れはするし嫌いじゃないけれど、飽きたら捨てる、そしてまた手に入れる。ぐらいしか考えてなかった。でも、今回の教室で素敵なファッションデザイナーと出会って、リメイクがおもしろくなった。飽きたら捨てる。じゃなくて、どこに違和感があったり、なんで飽きちゃったのかをじっくり考えると、今の自分と向き合うことになって、前の自分との変化がわかっておもしろい。それで、今の自分の好みに自分の手で作りかえることで、作る過程込みで、愛着が湧いてくる。で、この教室には、そんな個人的な愛着をファッションデザイナーが「かわいいね」って愛でてくれる。そんな目線が伝染して、参加してるみんながそれぞれに作ったものを愛で合ってふわ〜ってなる。

なんだか言葉にしたら、若干気持ち悪い風景になっちゃうけれども。そう思われても構わないほどに、本人たちは自分の内側を自分の外側から見て楽しんでいる。鏡をみて、いいじゃーん。って喜んだり、誰かの内側を横やりして、こういうのも似合うんじゃない?と提案してみたり。特にたわいもない会話をする。ある人は旦那の服を繕っていて、その姿を見て、こうやって、親がつくった服を子どもが喜んで着るんだなと、未体験な感覚に触れた気持ちにもなれた。ある人が「私、普通にやぶれた服を修理したくて持ってきたんですけれど、いいですか?」と不安そうに参加していた。「リメイク」が商品化されたことで、何か派手な仕上がりにならないといけないようなイメージができてるけど、リメイクって、こんな風景みたいに、誰かの手癖や思い、記憶、イメージなどがねっとりくっついていて、それが自分の外側に静かに現れることかもしれない。デザイナーはその服がどうやったらもっとかわいくなるかなー。みたいなところで考えていて、そんなねっとりしたものを愛でつつも、思ってもみないアイデアを提案してくれる。そのやりとりがおもしろいから、自分の思いだけでなく相談したくなるし、デザイナーの真似をして自由な回答をして会話を楽しむ。そうやって、服の作り方じゃなくて、服を作ることの楽しさを教わりました。すごくシンプルで良い教室だったなあ。しばらくはファッションに夢中になりそうです。

2015年03月09日 BLOG