蛇谷 りえ / JATANI RIE

ここにいると

考えれば考えるほど、何が平常で何が異常なのか、わけわかんなくなりそうになる。誰かが突然、どこかで拾ってきた平常のものさしを振りかざしてこようならば、私は瞬殺できるほどの心構えも、装備も備わっていて、時に殺気立ててしまいそうになるけど、怒りの矛先はそこじゃなくて、そこじゃないのは理性がわかってる。そいつはきっと、黒幕がどこかにいて、そいつによって操られてる狂っちゃった人間なのだ。いや、もしかしたら私がすでに狂ってるのかもしれない。にんげん同士でやり合ってるのは、本当に悲しい気持ちになるから、深呼吸して、消火して、にんげん同士でやり合わないようにしないといけないのも理性がわかっているけど、目の前のことをただ静かに受け止めて、深呼吸して、消火していくことが、どうやって、本当の向かうべき矛先に命中できるのか、とっても不安になる五月の朝。天気はいいけど、薄くスモークがかかっていて、短パンに裸足はまだ寒い。ツバメが家の中にしょっちゅう迷い込んでる。二度寝する犬。アンニュイな音楽。6月は海に出よう。

2015年05月20日 BLOG