蛇谷 りえ / JATANI RIE » Blog Archive » カゼぎみオオサカ

カゼぎみオオサカ

出張するからそれまでにアレコレ詰め込んで仕事を終わらせて、あたふたしながら喉が痛むのでマスクつけて大阪行きのバスへ乗り込む。バスが故障したりして、到着が遅れるが、会場はとても優しい空気に包まれていて、安心する。知ってる人が会いにきてくれて近況のおしゃべり。高校時代の仲間と呑む。朝、見慣れたはずの町を遠回りして探検する。この町を歩いていると、着たい服がイメージできる。鳥取にいると、既製品のシンプルな服を着るけど、この町にいるとリメイクした一点ものの服が着たくなる。人の密度かな、となりの人の気配を感じやすいせいか、エッジをきかせたくなる。わたしはここにいる。って言いたくなる。せっかくだしエッジのきいた服を買おうと思っていろいろみてたけど、どれも既製品にしかみえなくなっちゃって、これを誰かも着てるのかと思うと、しらけちゃって、買う気がなくなってしまった。オオサカに住んでいたときも、たしかこうやって、買う気力がなくて、もらってばっかりだったな。でも、もらってばかりも最近飽きてきたから、自分のものにしたいなと思って、どんなリメイクにしようかなとイメージを広げる。この町をあるいて、目にとまるのは、新しい高層ビルの横に崩れかけのビルとか、さびれた喫茶店、薄汚れたおじさんの履いてる靴とか、酔っ払ったおばちゃんの唄声とか、昔からずっとあるお店のランプや家具とかカーテンとか、どんな商業施設にも売られてないものばかりで。この町でわたしが買うならそういう骨董品を欲しいと思った。鳥取だとそんなに強く思うほどの欲はなかったのに、不思議な感じ。でも、身につけられるのがいい。歩くだけで町を楽しくしてくれるから。マッサージをしてもらったら、急に眠たくなって、深い眠りについた。久しぶりのカゼだった。

2016年11月07日 BLOG